「肩が痛くて上がらない」でお困りの方へ

「肩が痛くて上がらない」でお困りの方へ



肩が痛くて上がらない・・・五十肩だと思っていませんか?
治療をしないと治らない腱板断裂かもしれません。
「肩が上がりづらい」、「重だるい」など気になる症状があれば、気軽に受診してください。

当院では関節鏡(内視鏡)を用いた、からだに優しい治療を目指しています。

関節鏡手術

数mmの小さい穴を数箇所作って、そこから関節鏡や器具を入れて内部を観察しながら操作を行います。

関節鏡の利点

1.正常な組織をほとんど損傷しない。
 肩の場合、修復が必要な組織は奥深くにあります。切り開いて行う手術では奥に到達するために表面の正常な組織を切らなければなりません。一方、関節鏡手術はその表面の正常な組織をほとんど損傷せずに操作を行います。
2.手術の後の痛みが少ない
3.動きの制限が残りにくい
 切り開いて行う手術では損傷させる組織も大きく、そのために手術の後に関節が硬くなり動作に制限を生じることがしばしばです。関節鏡手術ではそのような動作の制限が少ないという利点があります。

関節鏡手術を行っている主な疾患

  五十肩(肩関節周囲炎、肩関節拘縮)
  腱板断裂
  石灰沈着性腱板炎
  肩関節脱臼
  肩鎖関節脱臼

五十肩(肩関節周囲炎、肩関節拘縮)

 五十肩とは肩甲骨と上腕骨(腕の骨)の接する部分を包む関節包(かんせつほう)という袋が硬くなってしまったために肩関節の痛みや腕が上がらないといった症状を呈する病気です。

・何が原因?
 明らかなけがやきっかけなどはありません。ご自身では気付かないようなけがや負担が原因とも言われています。

・どんな症状?
 徐々に痛みが出現し、肩の動きが制限されてきます(拘縮)。夜間に痛みで目が覚めるという場合もあります。
 ・痛みが強い時期
 ・痛みがあって動きが制限される時期
 ・痛みは和らいだが動きが制限される時期
これらの時期を経て症状は改善します。

・治療方法は?
 痛みが強い時期には痛み止めの内服、注射を行います。決して痛みに耐えて動かそうとしてはいけません。動きが制限される時期にはリハビリテーションを行います。これらの治療が奏効しますので手術に至ることはあまりありません。しかし、長期にわたって改善しない場合や骨折や大きいけがの後に腕が上がらなくなってしまった場合などでは、手術をしたほうがよいこともあります。
 手術は関節鏡を用いて行います。硬くなってしまった関節包の一部を切り離します。手術の後は翌日からリハビリテーションを行い、肩を動かす訓練を開始します。

腱板断裂

 肩甲骨と上腕骨(腕の骨)をつなぐ筋肉で、腕を上げるのに使う4つの筋肉をまとめて腱板(けんばん)と言います。肩の奥深くにあり上腕骨の表面を覆っています。これらの筋肉がバランスよく働くことで肩を痛みなく動かすことができるのですが、これらの筋肉の一部が切れてしまうと協調して動かすことができなくなり、さまざまな問題が起こってきます。

・何が原因?
 若い方の場合にはスポーツや仕事による肩への負担が挙げられます。重い物を持ち上げたり、野球での投球動作やバレーボールでのアタックを打つ動作など肩を高く上げたりする動作を繰り返し行うことで断裂することがあります。
 ご年配の方の場合には、加齢によって腱板が硬くなってきますので、これらの動作だけでなく家事のほんのちょっとした動作や軽い負担で断裂することがしばしばあります。肩がまるまっているといった、姿勢が悪いことも影響していると言われています。

・どんな症状?
 「肩が上がりづらい」、「重だるい」、「すぐに腕が疲れる」、「ひっかかる感じがする」・・・などです。お米を研いだり洗濯物を干したりする動作や扉を開け閉めする動作で肩に違和感をおぼえる場合や腕を上げて長い時間仕事をしていられないといった場合には腱板断裂を疑います。腱板が切れてもほとんどの場合、腕を上げることができます。五十肩と診断されていることがありますので注意が必要です。

・診断!
 MRIで行います。断裂した腱板を確認することができます。レントゲンでは大きな異常を認めないことが多く、レントゲンで異常がないからといって安心できるわけではありません。

・治療方法は?
 まずは痛み止めの内服、注射、リハビリテーションといった手術をしない方法を行います。夜間に痛みがでる場合には腕の下に枕を置く、重い物を持つ場合には肘をからだに密着させるなどの注意点を説明したり、猫背が影響していることもありますので肩甲骨の動きや姿勢を改善するリハビリテーションを行ったりします。
ただ、これらによって症状が改善することはありますが、腱板そのものを治せるわけではなく生活しやすいように工夫しているにすぎません。残念ながら腱板はいったん断裂してしまうと自然に修復されることはなく、根本的な治療となると手術が必要です。

・手術の方法

 従来あるいは現在でも行われている施設も多くありますが肩を大きく切開いて行う方法(直視下手術)と、最近行われるようになってきた関節鏡を用いる方法(関節鏡視下手術)とがあります。当院では基本的には関節鏡を用いた手術を行っています。
 手術では関節鏡で内部を観察しながら上腕骨にアンカーと呼ばれる糸付きの杭を打ち、そのアンカーについている数本の糸を断裂した腱板に通して、糸を引き寄せて腱板を上腕骨に固定します。断裂が大きい場合には太ももから筋膜を移植して修復します。
手術の後は三角巾や装具で腕を固定します。リハビリテーションは手術の翌日から開始します。断裂の大きさによってスケジュールは異なりますが、少しずつ痛みに応じて肩を動かしていきます。約3ヵ月はスポーツや重い物を持つなど肩に負担のかかる動作は控えるようにします。
腱板断裂
修復前 修復後

・手術のタイミング
 ほとんどの場合、初めは腱板のごく一部が断裂します。時間がたつにつれて断裂の範囲は徐々に大きくなります。筋力が低下し、筋肉がやせていき、場合によっては腕が上がらなくなります。断裂が大きい場合や断裂してからかなり時間が経過している場合には修復が困難なために術後の回復がおもわしくないことや関節鏡手術では対応できないことがあります。さらに手術をしても再び断裂してしまう危険性も増していきます。したがって、できるだけよい条件のうちに修復することが大切です。

石灰沈着性腱板炎

 肩の奥深くにある、肩甲骨と上腕骨をつなぐ腱板という筋肉や腱のなかに白い泥状の物質(石灰)がたまる病気です。たまるだけであれば問題になることはほとんどありません。ですが、周りにある滑膜という薄い膜に炎症を及ぼすことで激しい痛みが出現したり、石灰が引っかかって腱板の動きを妨げたりする場合には治療が必要です。

・何が原因?
 はっきりとはわかっていません。40-60歳の女性に多いと言われています。

・どんな症状?
 激しい痛みが特徴で、夜に眠れないほどの痛みを伴うこともあります。もちろん、強い痛みのために肩は上げられません。ひどい場合には肩が赤くなったり熱をもったりすることもあります。また、肩を動かしたときに引っかかる感じがすることもあります。

・診断!
 レントゲン検査を行います。白いかたまりがあるかどうかを確認します。

・治療方法は?
 まずは注射と内服を行います。注射は石灰の周りにある滑液包という袋のなかに局所麻酔薬とステロイドを入れます。ただし、糖尿病などをお持ちの方はステロイドが使えないことがあります。内服は消炎鎮痛薬と胃薬です。胃薬のなかには新しくできた石灰を消失させる効果があることが分かっており、痛みを抑えるお薬とともにお飲み頂きます。これらで激しい痛みを抑えられるのがほとんどです。それでも痛みがひかない場合や引っかかるような症状がある場合には手術で対応します。
 手術は関節鏡を用いて行います。石灰のある部位を確認し、表面の一部を切り開いて白い泥状の石灰を取り除きます。
石灰沈着
白い部分が石灰 石灰を取り除いた後



肩関節脱臼

 上腕骨(腕の骨)は本来、肩甲骨のそばにありますが、スポーツや外傷などで肩に強い力が加わって腕の骨が本来の位置からはずれてしまうことを脱臼といいます。その方向によって前方脱臼、後方脱臼、下方脱臼があります。ほとんどは腕の骨が前にはずれる前方脱臼です。一度はずれてしまうと脱臼しやすくなり(脱臼ぐせ)、それほど強い力が加わらなくてもはずれたり、服を着替える動作や寝ているうちにでもはずれたりするようになります(反復性脱臼)。

・何が原因?
 スポーツや転倒で肩を激しくぶつけたり、あるいは手が思いもよらぬ方向にもっていかれたりすることで脱臼します。上腕骨(腕の骨)に力が加わってはずれようとすると、本来は上腕骨と肩甲骨とをつなぐ関節包や関節上腕靱帯が突っ張ってはずれないようにしています。ですが、さらに強い力が加わると肩甲骨のふちにある関節唇や関節包が壊されて上腕骨がはずれてしまします。関節唇はもとの位置からずれてしまい関節包はゆるんだ状態になります。

・どんな症状?
 激しい痛みがあります。腕は動かせません。脱臼が整復されて数日間は重い痛みや違和感などは残りますが、すこしずつ和らいでいきます。その後の生活のなかでは通常の動作ではあまり問題にはなりません。脱臼を繰り返すと服を着替える動作や寝ているうちにでもはずれるようになりますし、違和感を覚えるようになります。また、スポーツなどで肩に力が加わったり腕がもっていかれたりすると恐怖感がでたり、肩を動かすとはずれそうな不安感が生じます。

・診断!
 脱臼はレントゲンで確認します。後方脱臼など判断が難しい場合にはCT検査を行います。
 反復性の場合や初回脱臼でしばらく経過の経っている場合には、実際に脱臼しそうな姿勢をとってはずれそうな感覚があるのかを確認します。検査としては、関節唇や関節上腕靭帯はレントゲンでは写りませんのでMRI検査で診断します。骨折などを合併している場合にはCT検査を追加します。

・治療方法は?
 脱臼して来院された場合には、腕を上げる、あるいはうつ伏せでおもりをぶら下げるなどの方法で整復します。その後、三角巾で固定します。
 リハビリテーションで周囲の筋肉を鍛えて脱臼しにくくするなどと言われますが、残念ながらはずれない肩にはなりません。損傷した関節唇や関節上腕靱帯は手術以外の方法では治せないのです。あまり肩を使わない方のなかには手術を行わないこともありますが、完治をお望みであれば手術を行う必要があります。

・手術の方法
 従来あるいは現在でも行われている施設も多くありますが肩を大きく切開いて行う方法(直視下手術)と、最近行われるようになってきた関節鏡を用いる方法(関節鏡下手術)とがあります。当院では基本的には関節鏡を用いた手術を行っています。
 壊れてずれてしまった関節唇やゆるくなってしまった関節包、関節上腕靱帯をもとの位置に戻します。肩甲骨関節窩というお皿のふちにアンカーと呼ばれる糸付きの杭を4-5本挿入し、ついている糸を関節唇や靭帯に通して引き寄せて固定します。
 手術の後は約1-3週、三角巾で固定します。術後早くから勉学、デスクワークなどの就労は可能です。約3ヵ月で軽いスポーツ、6ヵ月でほとんどのスポーツ種目で復帰が可能となります。


肩鎖関節脱臼

 鎖骨というのは首側では胸骨と、肩側では肩甲骨と接して、肩鎖関節というのは鎖骨と肩甲骨とで作られる関節をいいます。鎖骨のふちが肩の上に触れると思います。そこが肩鎖関節になります。この鎖骨のふちがはずれて上に突き出てしまう病気が肩鎖関節脱臼です。

・何が原因?
 ほとんどがスポーツや転倒によるものです。スポーツや転倒により肩の外側から力が加わりその力が鎖骨へと伝わると、鎖骨は首側が胸骨に固定されていますので、鎖骨の肩側が上方に浮こうとしてしまいます。鎖骨と肩甲骨とをつなぐ靭帯(烏口鎖骨靱帯、肩鎖靱帯)が断裂してしまうと鎖骨は脱臼してしまいます。

・どんな症状?
 肩周囲の激しい痛みです。しばらくするとその痛みはすこしずつ和らいでいきます。鎖骨にはたくさんの筋肉が付着していますので運動時のだるさ、易疲労感などが残るようになります。

・診断!
 突き出た鎖骨を触れ、上から押して動くかどうかをチェックします。レントゲン検査で上に浮いた鎖骨を確認します。鎖骨そのものに骨折を伴っている場合や他の部位に骨折を伴っていることもあるので注意が必要です。

・治療方法は?
 脱臼の程度で判断します。鎖骨がわずかに浮いている程度であれば手術をせずに経過をみます。三角巾などによる固定については周囲の筋肉などの痛みを減らす意味はあるものの、脱臼を整復する効果はなく、それほど必要にはなりません。鎖骨が大きくずれている、筋肉の中に入り込んでいる、まただるさや易疲労感などが続く場合には手術で対応します。
 手術にはさまざまな方法があります。現在でも切り開いて行う方法(直視下手術)で靭帯そのものを修復しプレートや人工靱帯で補強する方法や関節鏡を用いた方法(関節鏡下手術)で人工靱帯を挿入し靱帯の修復を図る方法などがあります。
当院では脱臼を生じて間もない場合には関節鏡を用いて人工靱帯を挿入する方法を行っています。時間の経過した脱臼の場合には靭帯そのものの修復が見込めないため手にある腱の移植を併用しての関節鏡を用いた方法で対応しています。
手術の後は3週間、三角巾で固定します。その後リハビリテーションを行い、5-6週間後からは腕を上げる動作を含めた職務が可能となります。

(写真掲載については患者様の同意を得ています。)

記載医師紹介

南村 武彦

診察受付日時
月曜日・金曜日 午前診(受付8:00~11:30)
出身大学
福井大学
認定医・専門医等
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リハビリテーション医、日本医師会認定健康スポーツ医
専門
肩関節 上肢 外傷
経歴
大津市民病院、京都府立医科大学附属病院、松下記念病院、長浜市立湖北病院、我汝会えにわ病院、佐野病院の勤務を経て山弘会上山病院勤務
メッセージ
関節鏡(内視鏡)手術など負担の少ない、からだに優しい治療を目指しています。
肩がだるい、痛くて上がらないなどでお困りの方はぜひご相談下さい。一緒に治していきましょう。

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